兵庫大学 兵庫大学短期大学部

地域との結びつきを自分自身の成長につなげて

キャンパス内に留まらず、地域を舞台に活躍する兵庫大学。学生たちは、地域の課題解決型プロジェクトやボランティア活動にかかわりながら「人間力」「応用力」を高めていきます。

キャンパス内に留まらず、地域を舞台に活躍する兵庫大学。学生たちは、地域の課題解決型プロジェクトやボランティア活動にかかわりながら「人間力」「応用力」を高めていきます。

学生のアイディアで地域の問題を解決!PBLグランプリ 学生のアイディアで地域の問題を解決!PBLグランプリ

PBLとは学生が答えが一つに決められていない課題を解決する経験を通し、課題解決を目的にチームで知恵を出し合う学び方で、北米の大学で開発されました。文部科学省は、大学教育改革のためにアクティブ・ラーニングを推奨しており、その一環として課題解決型学習をあげています。PBLは課題(問題)が学びを駆り立てる学習であり、そこでは、学生は知識を得る前に課題を与えられます。従来の知識の暗記にみられる受動的な学習方法から脱却し、自ら問題を発見し解決していく能力を身につけていくことを目標とします。PBLグランプリとは、近隣の自治体や団体等と連携して、学生が意欲をもって主体的に地域での課題の発見と探求、解決への実践活動をすることで地域も活気づく学習(PBL型学習活動)による成果をコンペ形式で競い、学内外の審査員評価により表彰する取り組みです。

学内開催コンペ「第2回PBLグランプリ」
学科/こども福祉学科

「こども大学」とは、地域の就園前の児童を持つ方々に子育てを楽しんでもらいながら親子のより良い関係づくりをお手伝いしようと、こども福祉学科の2・3年生が保育士の保育補助や学生自らが保育指導を計画して兵庫大学13号館にある模擬教室で実践する活動です。週に1回(年間20回)火・木・金曜日の3コースに、それぞれ15組の親子が参加しています。PBL活動の実施にあたり、保護者の方々が「こども大学」に期待していることを事前にアンケート調査を行い、保育の計画に組み込むことを試みました。調査結果からは以下のようなことが分かりました。

保護者の方が「こども大学」に期待していること

  • ・親子ともに同世代の友達ができる
  • ・子どもが集団生活に慣れることができる
  • ・家庭ではできない遊びが体験できる
  • ・新しい遊びを知ることができる

「子育て世代のコミュニティ不足」

地域との関わりが希薄になっている現代において、子育てという同じ悩みを抱える方々が交流できるコミュニティがないことや子育てにおける悩みを相談できる相手がいないなど、保護者が抱える課題を解決できる支援がしたい。

「子育て世代が親子で参加できる企画を定期的に開催」

企画の開催により、親子ともに同世代の新しい友達ができることや日常に楽しみを持つことができるコミュニティを創っていく。また、参加者の声を聞き、回を重ねていくことで見えてなかった地域課題を発見し、さらなる課題解決へと活かしていく。

これらの結果を踏まえて、「こども大学」では少しのあいだ親と離れて子どもと学生だけで遊ぶことや、外に出てこれまで体験したことがないような遊びにチャレンジするような保育を計画しました。
具体的な内容としては、親と離れても夢中になって遊べるようにミニ運動会を開催したり、屋外で大きなバルーンの中に入って走り回ったりしました。
実施後のアンケートでは、「親子分離しても同世代の子ども同士で遊ぶたくましい姿が見られた」「保護者が離れた場所からリラックスして子どもが遊ぶ姿を見る時間を過ごせた」など喜びの声をたくさんいただくことができました。
この活動を通して、保育者をめざす学生だからこそできる地域貢献のカタチを考えることができたと同時に、保育者をめざすために学生のうちにやっておかなければならないことを考えることができました。

受賞理由 地域の当事者への貢献が最も大きかったこと 受賞理由 地域の当事者への貢献が最も大きかったこと

「こども大学」の企画は、地域の当事者への貢献が最も大きかったこと、そして教育の観点からは、大学での学びを基礎とし、この活動を通して、学生が保育者の本質について考え、体得し成長する機会となっていたことが、受賞の大きな理由となりました。

兵庫大学・兵庫大学短期大学部 副学長(研究・社会連携担当)田端 和彦

兵庫大学×SDGs

兵庫大学×SDGs

兵庫大学は持続可能なグローバル目標であるSDGsにコミットし、SDGsが掲げる17の目標と169のターゲットの達成に向けた研究・教育を推進しています。また兵庫大学は2019年、関西SDGsプラットホームに加盟しました。今まで以上に自治体、企業、教育機関との協力関係を強化し、SDGsの視点に立った地域課題の解決に取り組んでいきます。

SDGsとは?

開発アジェンダの節目の年、2015年の9月25日-27日、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。将来に向けて、地球上で暮らすあらゆる人たちがより幸せに生活していけるよう世界中の国が約束した目標、それが「世界を変えるための17の目標と169のターゲットからなる“持続可能な開発目標(SDGs)”」です。そして、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。

ロコモティブシンドローム予防講座[2019年度加古川市協働のまちづくり推進事業採択事業]

手足の筋肉等の衰えで要介護となる前に、それを予防するための体力測定や運動指導を行う講座を地域の公民館で定期的に開催します。

加古川てらこやプロジェクト

寺社を舞台に子どもの感謝の心や郷土愛を育む「てらこや」を加古川で実施。地域に貢献する企画、運営を実践的に行います。

自然とふれあう体験プロジェクト[いなみ野水辺の里公園推進事業]

「親子で楽しむ食と自然のふれあい」をテーマに、参加家族のサポートや夏祭りの企画運営に携わるなど、地域活性化に貢献します。

森のこども大学

コロナ禍でも子どもたちに豊かな経験をしてほしいという思いから北欧の1年中戸外で活動する「森の幼稚園」をお手本に「森のこども大学」を実施しました。

ブライダルプロジェクト[稲美町官学連携事業 他]

プロジェクト型学習の一環として、一般公募で選ばれたカップルに、地域資源を生かした学生プロデュースの結婚式を開催しました。

防災・防犯カルタ[2019年度加古川市協働のまちづくり推進事業採択事業]

加古川市消防本部、加古川警察署と連携し、子どもたちに防災・防犯の知識を伝えるカルタを自主制作。カルタ大会を開催しました。

キャンパスカフェ「なごみ」 加古川市協働のまちづくり推進事業 キャンパスカフェ「なごみ」 加古川市協働のまちづくり推進事業

認知症の方、その家族の方々とともに認知症を考える場としてスタートした企画。現在では、医療や介護の専門職、地域住民など誰もが気軽に参加できる集いの場となっています。リラックス効果の高い生豆焙煎から淹れたコーヒーを飲み、学生と語り合いながら課題を発見します。

近隣住民との繋がりをつくるコミュニティの提供

大学教員が持つ専門性を活かしたミニレクチャーを開催

コーヒーの香りがリラックス効果のある癒しの時間をもたらす

会話をすることで課題を見つけ解決策をともに考える

1年生から継続して参加しているこの活動は、カフェの気楽な雰囲気のなか、人との繋がりを通して地域福祉について考えることができる大切な場所です。今後は、子どもやその保護者、またハンディキャップのある方にも声をかけ、世代やハンディを越えて繋がれるカフェの開催にも挑戦してみたいと考えています。

社会福祉学科 3年

前田 夢華さん(兵庫県立龍野北高等学校出身)

このカフェを通して認知症の方やその家族の方々の新しいコミュニティが生まれ、その場に学生が関わることで地域住民のリアルな声から地域課題を発見することができています。看護学科と社会福祉学科の学生が参加し、多職種連携を実体験しながら自分たちが学んでいる専門分野をどう地域に活かすことができるのかを理解する機会となっています。

看護学科

東 久子 講師

熊本県西原村ボランティア活動 ひょうご若者被災地応援プロジェクト事業 熊本県西原村ボランティア活動 ひょうご若者被災地応援プロジェクト事業

2016年4月の熊本地震発生後から被災地支援・復興支援事業のボランティア活動を開始。学生が被災地へ赴き、草刈りや作物の収穫の手伝いから福祉施設での調理補助などを行います。継続して行うことで被災者との関係も生まれ、復興経過を我が事として捉える経験となります。

やる気と不安の両方の気持ちを抱えながら兵庫県から熊本へ

草刈りや倒木の運搬など若い力を活かして体力仕事で支援

地元の福祉施設の食堂でお昼ご飯のお手伝いをします

被災地の現状を知っていただくために学内にて報告会を開催

現地でしか感じられないことがある

はじめは被災者の方にどのように接したら良いのか不安な気持ちもありましたが、みなさん本当に明るく喜んで迎え入れてくれました。私たちが出来ることは少しですが、継続して訪れることに心から感謝してくださる様子を見て、このボランティアは後輩たちにもぜひ参加して欲しいと思いました。

栄養マネジメント学科 4年

遠藤 葉月さん(兵庫県立神戸商業高等学校出身)

被災地としては継続して来てくれることが一番嬉しい

兵庫大学の学生さんは毎年来てくれているので被災者の方とも顔馴染みになっています。自主的に参加されていると聞いて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。村としての復興はかなり進んできていますので、今後は被災者に寄り添っていただく心のケアをお手伝いいただけたら嬉しいです。

NPO法人にしはらたんぽぽハウス

施設長 上村 加代子さん