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「熟議2015 in 兵庫大学」実施要項
- テーマ 「加古川地域のちから」
- 【参考】「熟議」とは、協働を目指した対話のことをいいます。具体的には、下記のようなポイントを満たした、協働に向けた一連のプロセスを指します。
- 1. 多くの当事者(保護者、教員、地域住民等)が集まって、
- 2. 課題について学習・熟慮し、議論をすることにより、
- 3. 互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、
- 4. 解決策が洗練され、
- 5. 施策が決定され、個々人が納得して自分の役割を果たすようになる
- (文科省HP http://www.mext.go.jp/jukugi/about/index.html)
- 目的
- 本取組みを、地域社会における中核的存在としての本学の機能強化を図るとともに、地域と連携しその中核となる大学づくりを目的にCOC「Center of Community 地(知)の拠点」事業の一環として位置づけています。
すなわち本学は、地域の知的拠点として、地域の課題に対し、有する知識や問題解決のための手法、及び学生を含む人的資源を提供することにより「地域社会に向けた教育・研究及び社会貢献の全学的取組みの推進」につなげることを目指しており、「熟議」はそのための重要なツールの一つなのです。 - 目指す5つの効果
- ① 「熟議」による地域課題の解決に至る合意形成手法の開発・確立
- ② 市民、行政、大学による加古川地域における課題解決策、その実施に向けての検討
- ③ 地域コミュニティの拠点として、地域について議論する機会の提供
- ④ 本学学生に対する正課外における教育成果
- ⑤ 高校生に対する学校外活動での教育成果
- 兵庫大学熟議手法と熟議2015 in 兵庫大学の進め方
- (1) 兵庫大学熟議手法
- 「熟議」という言葉は、熟慮と議論を併せた言葉であり、本学では2012年開催の「熟議」以降、①熟慮の段階、②議論の段階、③共有の段階、④振り返りの段階、⑤実践の段階の5つの段階を踏む「兵庫大学熟議手法」に沿って「熟議」を行っています。
- (2) 熟議2015 in 兵庫大学の進め方
- メインテーマ:加古川地域のちから ~安心・安全を創る~
- メインテーマの意義:
- これまでの熟議は、加古川地域の課題を発掘し、その課題への対応策を考え、解決に向けて実施に移すことにより、実際の課題解決を市民自らが考える機会とすることを目的に進めてまいりました。「熟議2013 in 兵庫大学」では、地域の強み・弱みの分析から、安心・安全を図ることが当該地域の重要な課題であることが示されました。翌年の「熟議2014 in 兵庫大学」では、課題となった安心・安全を踏まえ、より詳細なテーマについて、参加予定者の意見を踏まえ抽出、防犯カメラと防災情報を対象としての議論を行いました。この中では、法律や制度の議論が交わされたと同時に、市民の力や絆を活かしての防犯、防災の可能性にも触れられました。
今後の社会のあり方を考える上で、制度だけではなくその意思決定も含めて市民の力を活かすことが重要視されると思われます。そこで地域を考える熟議について最終の年度となる「熟議2015 in兵庫大学」においては、その部分についてより深く議論を行い、安心・安全をテーマに新たな市民社会の形成に向けての第一歩にしたいと思います。
さて、加古川地域のちから、という問いかけですが、「ちから」=Powerとは、モノを動かす原動力であり、環境や他者へ働きかける力と考えることができます。加古川のちから、とは加古川(地域)が持つ、加古川地域を変革するための影響力ということもできます。主として市民が加古川地域をよりよくするために、つまり内への方向への影響力を想定しています。その源泉として具体的には、地域に存するNPOやボランティアなどの組織、人材などの地域の資源、いわゆるソーシャルキャピタルとされるネットワークや互恵に基づく関係、「ちから」を発揮するために必要な金融や制度、機関などが考えられます。それらをいかに組み合わせ、実現可能な方法を導き出すのかが熟議に期待されると思われます。
もちろん、加古川地域での試みを情報発信として外への影響力を発揮することも重要になります。この点は、加古川地域の弱点としても指摘された点です。その点も議論に上ることを期待しています。
- (3) 2段階方式で進める議論
- テーマとして示した「加古川地域のちから」はメインテーマです。幅広い考え方を示すものであるため、具体的に安心と安全に関連する熟議の話し合いを進めるには、工夫が必要になります。今回、2段階方式での議論を想定していることもあり、それを踏まえて解決策まで導く方法が必要になります。
第一段階では、人口減少時代における安心・安全な社会とはどのようなものか、を考えます。25年後の、2040年を想定しますと、日本の人口は現在と比較して1,500万人~2,000万人が減少、高齢化率は10ポイント高い35~40%となると推計されています。この場合、財政では社会保障に要する割合が高くなり、安全を守るはずのインフラストラクチャーの整備がままならなくなることが予想され、安全・安心を維持するための人材も不足することでしょう。一方で、30年以内の発生確率が70%ともなっている南海トラフ地震に襲われることも考えられますし、さらなる温暖化による自然災害の巨大化も懸念されるのです。
現在進む地方創生事業では、人口ビジョンの提示なども行われていますので、そうした資料を前段階の「熟慮」の段階で提示します。それらを踏まえたうえで、自分たちが暮らしたい安心・安全な社会について議論を行い、後半議論すべき課題を話し合いの中から抽出をしていきます。例えば、先述の、インフラ老朽化の中で安全な利用をどうするのか、どのように自然災害、大規模災害へ備えるのか、高齢化の中で健康に安心して生活を継続する仕組みはあるのか、などが課題となるでしょう。
第二段階では、その際の課題となったことの解決を考えていきます。テーマは「加古川地域のちから」ですから、行政に頼るだけではなく、この地域にある資源や事情を踏まえ、そこにアイディアや努力を付加することによって、自分たちが安心して生活しやすくなる、という提案を求めます。それは現在の時点から備えるという視点でもいいでしょう。例えば、高齢化が進むので不安が増す中にあって、住民同士の防災ネットワークを学校とつなげ、学校を核にまずは「生き残る」ことを考えることで、安心を増す仕組みができないかと考えてみるのです。25年後のあるべき姿を思い浮かべ、その時点で必要な資源をこれから育てていくことも解決に近づく方法でしょう。「加古川地域のちから」を活用して、そもそもの少子化の問題を解決する、という議論があってもよいかもしれません。
- (4) メインファシリテーターの配置
- 2段階方式を進めるために、メインファシリテーターを配置します。メインファシリテーターはワークショップの進行を司るとともに、ワークショップの結論を踏まえ、その内容について解説し、参加者の議論の共有を促進します。メインファシリテーターはそれぞれのテーブルで出された議論を複合化する役割を果たします。
- 実施概要
- ① 開催日時:平成27年11月22日(日) 10:00~16:00
- ② 会場:兵庫大学 5号館 食堂2F
- ③ 参加人数:80人程度
- ④ 参加対象者:
- 高校生
- 本学学生(この他ファシリテーターとしても参加)
- 地域づくりに関心のある一般市民
- ⑤ 参加費:無料(弁当、飲み物をご用意します)
- ⑥ 当日スケジュール
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時間 所要時間 内容 全体会 09:30~10:00 (30分) 受付 10:00~10:05 (5分) 開会の挨拶 10:05~10:20 (15分) テーマ等の説明 グループワーク 10:25~10:40 (15分) アイスブレイキング 10:40~12:00 (80分) 熟議(第一段階議論)... ワークショップ 12:00~12:40 (40分) 昼食 12:40~14:00 (80分) 熟議(第二段階議論)... ワークショップ 14:00~14:30 (30分) まとめ・休憩 全体会 14:30~15:40 (70分) 議論の結果の共有と講評, 挨拶 15:40~15:55 (15分) 総括 15:55~16:00 (5分) 閉会 - 主催
- 兵庫大学・兵庫大学短期大学部
- 共催
- 加古川市
- 後援
- 兵庫県、兵庫県教育委員会、高砂市、稲美町、播磨町、加古川市教育委員会、高砂市教育委員会、
稲美町教育委員会、播磨町教育委員会、兵庫県生きがい創造協会、神戸新聞社、
BAN-BANネットワークス株式会社 - 申込み
- 兵庫大学 熟議専用ホームページから
- URL: http://www.hyogo-dai.ac.jp/jukugi/
- ※なお、熟慮や「熟議2015 in 兵庫大学」に関する情報はホームページを通して随時公開していきます。
- 企画・運営
- [熟議プロジェクトチーム]
- 田端 和彦 社会福祉学科 教授(チームリーダー)
- 吉原 惠子 社会福祉学科 教授
- 北島 律之 社会福祉学科 教授
- 木下 幸文 健康システム学科 教授
- 森下 博 経済情報学科 准教授
- 久井 志保 看護学科 准教授
- 小林 洋司 短期大学部保育科 講師
- 岩崎 治夫 学長室長
- 柏村 裕美 学長室員
- 主管部署
- 兵庫大学 学長室