「熟議2014 in 兵庫大学」熟慮のための宿題②
防災および防犯に関しまして、宿題②をお送りします。「防災」および「防犯」に関わる次のような状況を想定して、下記の設問に回答をしてください。
ご意見などがまとまりましたら次のリンクをクリックし、ご回答ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
熟慮のための宿題②回答フォームへ 宿題②の内容をPDFファイルで表示することもできます。PDFファイルはここをクリックして下さい 次のような状況を想定して、下記の設問に回答をしてください。 行政による最新の調査により、断層の地図が作成されました。その地図から、あなたが長年住み慣れている借家であるアパートの直下にも断層があることがわかりました。この断層が動くことで直下型の地震が発生します。とはいえ、地震が数年以内に起きるというわけではないようです。専門家の予測では、アパートの近辺では、震度6の揺れになるといいます。アパートは古いため、揺れにより破壊される可能性があります。 次のような状況を想定して、下記の設問に回答をしてください。 ある高等学校の周辺のエリアで、痴漢事件が発生したため、PTAからの求めに応じ、その高等学校では生徒の安全を守るため学校の敷地内に、学校の周囲を見渡すことのできる防犯カメラを複数台設置しました。ある時、生徒が校則に違反し喫煙をしているところが、防犯カメラに映り、その生徒は停学の処分を受けました。 「熟議2014 in 兵庫大学」で議論する具体的なテーマが決定いたしました。これは皆様方にお願いをしておりましたテーマを1つ選んで頂いた回答の結果等を踏まえつつ、熟議プロジェクトのメンバーで協議をして決したものです。 【テーマ選定について】 皆様から頂いたご回答では、5つのテーマの中でも、「5.大規模災害時、各自で避難することができるのか」、と拮抗する結果となっていました。両者の合計で、全回答の約7割を占めていたことになります。 【テーマ選定について】 テーマ選定の理由は、参加者の皆様の多くがこのテーマを選んだことになります。全体の約45%の方が「1.防犯カメラについて」を議論したいテーマとされていました。身近にも防犯カメラが設置さえるケースもあり、気になりながらもきちんと議論をすることの少ないテーマであったと思われます。 「熟議2014 in 兵庫大学」の進め方について、資料を掲載します。 PDFファイルはここをクリックして下さい 防災および防犯に関しまして、それぞれサブテーマを5つずつ用意しました(以下にテーマ概要を記載しています)。「防災」および「防犯」の両方について、あなたが熟議したいテーマをそれぞれ5つのうちから1つ選択し、そのテーマを選択した理由をお聞かせください。また、選択したテーマに対する考えもお聞かせください。 ご意見などがまとまりましたら次のリンクをクリックし、ご回答ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。 熟慮のための宿題回答フォームへ テーマ概要をPDFファイルで表示することもできます。PDFファイルはここをクリックして下さい 大規模な災害が起こる前に、発生する事態を想定し、発生後の応急対応や復旧・復興に必要な体制をあらかじめ整備・構築する平常時での取り組みのことを事前復興と呼びます。そのためには、避難を円滑にし、救助車両を走りやすくするための道路拡張や延焼を防ぐ防火帯の設置などが必要となります。これらには個人の持つ土地を安く提供してもらったり、いつ起こるかわからない災害に備えて莫大な資金が必要になったりします。それだけのことが必要な事前復興にどの程度まで力を入れればよいのでしょうか。 災害時に適切な行動をとるためには、正確な情報が必要です。しかし障害を持った方や高齢者には正確に情報が伝わらないこともあります。情報が得られないために避難が遅れたり、復旧で不利になったりすることがないようにしなければなりません。とはいえ、全ての情報を得ることも、伝えることも難しいため、偏った情報だけが伝えられる可能性もあります。災害時の情報を選別し、地域住民で共有することが必要になるのですが、そのためにはどのような方法があるでしょうか。 突然の災害に遭った人々は、住んでいる場所にこれ程の危険があることをなぜ教えてくれなかったのか、安全を守るのは行政の役割ではないのか、と思うことでしょう。また、土地の液状化で傾いてしまった家の持ち主は、造成した会社が安全な家を売らなかった、という思いを持ちます。自分が住む場所が、過去にどれだけの災害に見舞われたかを調べる人がいます。自分の身は自分で守る、危険の判断を自分がする、という思いです。行政、企業、自分・・・、安全・危険の判断は誰がするべきでしょうか、それは可能なのでしょうか。 地域の防災の重要な拠点となる消防署(常備消防と呼びます)は、人口の減少から統合され、また地方自治体の財政難から、人員が縮小されています。また住民がボランティア精神を基盤に地域の防災を担う消防団(非常備消防と呼びます)や水防団も人口の減少から、人員が不足しています。今後も人口減が進むならば、常備、非常備の防災のサービス水準が下がるかもしれません。自分たちで地域を守る消防団などを充実させ、常備消防を縮小するという考え方、逆に消防団などは不要という考え方もあります。人口も税金も少なくなる中、地域の防災をどのように進めればよいのでしょうか。 岩手県には「津波てんでんこ」という言葉があります。津波がくれば肉親や知人のことも構わず各自で逃げなくてはならない、ということです。職場や学校で大規模な災害に遭った場合、自宅に戻らず、避難をすれば、自宅の家族はちゃんと逃げられたのか、学校が子どもをきちんと避難させてくれたのか、不安になります。不安を取り除き、住民同士、あるいはその場にいる同士で協力しながら、自らの命を自ら守るために、日ごろからどのようなことが必要になるでしょうか。 あちこちで防犯カメラが設置されるようになっています。時にはそうした映像が全国ネットのテレビ番組で流されることもあります。いつの間にか、自分の姿が撮られ、誰かに見られていることがあるかもしれません。プライバシーや肖像権の侵害だけではなく、その映像がどこで誰に使用されるかわからない、という不安もあります、また防犯に役立つとされますが、犯行が撮影されても、犯人の逮捕や犯罪の立証に役立つだけで、抑止効果がないとの意見もあります。防犯カメラは本当に必要なのでしょうか。 見知らぬ人がコミュニティに入って来たときの備えとして、また何かあったら助け合うことができるようにと、近所の方の情報を共有したり、提供を受けたりすることがあります。さらに、近所同士がお互いに見守ることで安全を確保したいという動きもあります。ただ犯罪を防ぐためとはいえ、自分のプライバシーや個人情報が他人に共有され、互いを見守ることに抵抗を感じる人もいるようです。犯罪を防ぐために情報をどこまで共有すればよいのか、地域住民がどのように連帯するのが良いのか、その場合、どのような人々で集団を作ったりすることが望ましいのでしょうか。 犯罪に巻き込まれたり、犯罪被害者を生み出したりしないまちの構造はどのようなものでしょうか。街灯が少ないため不安を感じる学生が多いことが聞き取りで明らかになりました。こうした安全のための設備の他にも、公園の木を伐採して死角を減らすこと、犯罪者が逃げづらいような道路の整備など建物や実際の環境を整備すること。さらに、信用できる限られた人しか入ることのできないコミュニティ(ゲーテッドコミュニティ)を造ることなどで被害者を減らすことが可能でしょうか。 割れ窓理論は、建物の割れた窓を放置するとその地域に誰も関心がない、とのサインとなり、やがて軽犯罪から重大な犯罪に発展するという理論です。軽微な犯罪を見逃さずに取り締まることの重要性を指摘したとされます。ニューヨークなどはこの理論に基づく対策で犯罪発生率を減少させる効果があったといわれますが、落書きや器物破損など、小さなことも見逃さずしっかりと指摘をして、犯罪の芽を摘むことが本当に地域の防犯に役立つものでしょうか。 犯罪は、不景気など社会が不安定になったりすると起こりやすくなりますが、生活にゆとりがなく「お金がほしくて、つい…」とか、子育てに疲れ「イライラしていて、つい子どもに…」など個々人の事情や心理もあります。そうした状況に陥らないように、個人が何らかの形で社会に関わり、社会の一員としての自覚を持つことができれば、犯罪に走らなくてもすむかもしれません。罪を犯さなくてもよい社会を考えたとき、例えば人を孤立にさせない、悩みを打ち明けることのできるような方がたくさんいる、など地域での活動から作ることが可能でしょうか。
防災について
防犯について
「熟議2014 in 兵庫大学」でのテーマの決定について
防災について
テーマ:3.安全・危険の判断は誰がするべきか
さて、議論をするテーマと定めた「3.安全・危険の判断は誰がするべきか」についても、また「5.大規模災害時、各自で避難することができるのか」も、テーマの内容は、自分自身が安全について判断し、行動する、ということです。どちらにしても、個人の選択に関わる重要なテーマを議論したい、との回答が多いことは、直面するかもしれない危険に備えたい、その答えを得たい、という参加者の意見があると思われます。
宿題として、テーマを選んだ理由を述べるように課しました。「3.安全・棄権の判断は誰がするべきか」を回答した方には、「考えなければならない問題だと思った」「安全・棄権の判断の難しさを改めて感じた」という意見がありました。一方で、「5.大規模災害時、各自で避難することができるのか」の回答者は、「実際に災害が起こったとき、避難ができるのか自信がないから」「一番自分のこととして考えやすかった」、と選んだ理由を述べていました。ここからも、個人の選択がテーマになっており、それを考えたいとの意向が伺われます。
今回、「3.安全・危険の判断は誰がするべきか」に決定したことの理由ですが、このテーマを選んだ回答者は、高校生、学生、一般、行政という、所属別、また地の人、風の人というスタンス別においても、適切な配分となっていた、ということがあります。多くの人が関心を持って議論をするテーマになる、と判断をしました。
さらに、重要な点として、回答の多かった「5.大規模災害時、各自で避難することができるのか」を選ばなかったことがあります。これを議論するには、相当に覚悟が必要ではないか、との意見があったのです。各自で避難をすることは、場合によっては自分だけが助かり、家族や知人を見捨てることにつながりかねないことであり、その判断には正義や信念が関わるため、議論によりまとまり、納得することは困難と考えられました。
防犯について
テーマ:1.防犯カメラは必要か
テーマを選んだ理由の記述を宿題としましたが、その中では「色々な場所にあり、身近なものだけど、あまり知らないから」「一時防犯カメラについて気になったことがあるから」など、身近であり、気になりながらも議論をされてこなかったテーマであることを伺わせる記述が多くありました。
ところで、「1.防犯カメラについて」以外では、「2.防犯コミュニティづくりには何が必要になるのか」、「5.罪を犯さなくてもよい社会を地域から作ることができないか」が比較的多くの回答を集めました。限定されたテーマよりも、幅広く考えることができる内容を選んだ人も多い、ということになります。また興味深い点としては、前者については一般からの回答が、後者については学生の回答が多くありました。
「熟議2014 in 兵庫大学」の進め方
「熟議2014 in 兵庫大学」熟慮のための宿題①
防災について
防犯について
「熟議2014 in 兵庫大学」実施要項
すなわち「熟議2014in兵庫大学」は、地域の知的拠点として、地域の課題に対し、有する知識や問題解決のための手法、及び学生を含む人的資源を提供し、「世代を超えて地域課題の解決にむけて考える」ことをその目的とする。
2年目となる「熟議2014 in兵庫大学」は昨年度の「熟議」を通して共通に認識できた加古川地域の課題「安心・安全」に注視し、より具体的な解決策やその実施方法について「熟議」する。安全・安心は加古川地域の自治体も共通して課題とする課題である。
これを踏まえ、本年度の個別テーマを次の2つのとおりとする。
「地の人」とは地域活動を支える基礎になる人々で、長く住み、地域にネットワークを持って活動し、地域の変化にも敏感である。地の人には、長い歴史と伝統が蓄積されており、それらを熟知している強みを持つ。
「風の人」とは外から地域に文化をもたらし、考え方をもたらし活動をする人々で、外から地域に来訪し、その地に魅かれている。外にある変化を捉え、その地域にある頑なな考え方や心情をときほぐす役割を果たす。
地域で活動する人は誰も、「地の人」「風の人」の両要素を持つが、自身の志向はどちらの傾向が強いか、という自覚を持つ。地元志向の度合いの違い、と言い換えることもできるだろう。それを事前に自己判断しグループに分かれ、それぞれで議論をすることで、地域に対する観点の違いを統一する時間を節約する。
共有の段階とはそれら、2つのグループのそれぞれのテーブルの代表者が分かれて、アリーナにて、議論を交わし、見方の違いから生じる相違点、共通点を探ることで、それらの共有を図ろうというものである。
時間
所要時間
内容
12:30~13:00
(30分)
受付
13:00~13:12
(12分)
開会 ※挨拶、発題を含む
13:12~13:20
(8分)
テーマ等の説明
会場移動
13:30~15:00
(90分)
熟議 (ワークショップ)
15:00~15:30
(30分)
代表者討論会 (発表) 準備
15:30~15:50
(20分)
休憩・会場移動
会場移動
15:50~16:20
(30分)
代表者討論会 テーマ①
16:20~16:50
(30分)
代表者討論会 テーマ②
16:50~17:00
(10分)
閉会
稲美町教育委員会、播磨町教育委員会、(公財)兵庫県生きがい創造協会、神戸新聞社