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(1)事前に学習して認識を持ちましょう(熟慮の段階)

 「熟議2018 in兵庫大学」のテーマである、「しごと創り」についての動画を視聴することと課題の提出による熟慮を行います。

 動画をご覧になる前に、「シラバス」をお読みください。シラバスは、大学での講義について、その学習の目的や概要を示した文書です。動画の内容には3つのステップがあります。

 最初のステップは、社会で求められている「しごと」、についての内容です。4本の動画がありますので、そこから2本以上の動画を選んで視聴してください。その後、課題がありますので、課題についての回答を、ウェブページから送ってください。

 次のステップは、加古川地域の現状、についての内容です。2本の動画がありますので、その両方を視聴してください。このステップでの課題はありません。なお、「熟議2018 in兵庫大学」では、加古川市を中心に高砂市、稲美町、播磨町の2市2町を「加古川地域」と定義していることをご了解ください。

 加古川地域以外にお住いの方は、加古川地域を例として、自分の住む播磨の地域を思い想定して頂いても大丈夫です。人口減少などは、共通する課題です。

 最後のステップは、しごと創りのための方法、についての内容です。4本の動画がありますで、そこから1本以上の動画を選んで視聴してください。その後、課題がありますので、課題についての回答を、ウェブページから送ってください。

 映像はそれぞれ10分程度の内容です。動画を視聴し、必要なすべての課題を提出頂いた後、「熟議2018 in 兵庫大学参加者アンケート(事前)」にご回答ください。


(2)お互いの認識を出し合い、議論をしましょう(議論の段階)

 熟慮をした内容を持ちより、それを踏まえての「議論の段階」です。熟慮を踏まえ、「しごと創り」について議論をいたします。11月18日(日)に会場となる兵庫大学17号館 にお越しください。
 会場では、指定されたテーブルにおつきください。おそらく、初めて出会う方ばかりと思います。どのように議論を進めるのか、不安かもしれません。でも安心をしてください。テーブルには、ファシリテーターと呼ばれる進行役の方がおりますので、その進行に従って議論を進めます。

 議論は、ワークショップ方式で行います。ワークショップ方式とは、意見を闘わせるのではなく、議論を重ね、アイデアを積み上げながら、結論を得る議論の手法です。

 3つの段階で進めます。熟慮の成果を発揮してください。

【第1段階 「しごと」への想い】
 第1段階は、「しごと」について議論をします。
 そもそも、人はなぜ「しごと」をするのでしょうか。
 やはりお金を稼ぐという現実の生活のためが大きな理由でしょう。

 まずお金を稼げるかを最初は考えずに「しごと」への「想い」から始めましょう。

 今、働いている皆さんは、現実を少し忘れてください。「しごと」に関わっていない高校生や大学生は、いずれやってくる未来として、「しごと」を捉えてください。

 「想い」から始まるしごと、ですが、身近にあるスマートフォン、YouTube、LINEも、起業家たちの、「●●のような商品やサービスがあったらいいな」との想いがあり、それと社会で求められているものが一致したときに大きな「しごと」となって出現しました。大きな「しごと」ではなくとも、小さな社会の課題を解決し、また身近な人々が求める「しごと」もあります。

 まずは、どのような「しごと」をしたいのか、から議論を始めます。
 例えば、身近なことで、自分があって「欲しい」ということを考えると、それを提供する「しごと」が思い浮かびます。そうしたことを出し合いながら議論をしましょう。

 次は、それは今、社会から求められている「しごと」であるのか、議論をします。
 社会には広い意味がありますが、周りの人が求めている、若者が喜ぶ、女性にとっては無くてはならないだろう、という身近からも議論ができます。あるいは、加古川地域や加古川地域に類似する播磨のそれぞれの市町で求められている「しごと」であるのか、ということもわかりやすく考えられます。加古川地域には、ため池が多くあります。ため池を有効に使う「しごと」は、加古川地域に必要とは思いませんか。
 それで「しごと」への「想い」として固まります。

 それから「稼げる」方法です。
 お金の循環を生み出す「しごと」になる「仕組み」を議論をしましょう。社会が求めることは、つまり、そのためにお金を払う人がいる、ということです。また、無料でサービスを提供することでお金を稼ぐことは可能です。例えば、YouTubeは無料で動画を見たい、との「欲しい」ことがあり、それを提供すれば多くの人が喜ぶ(社会から求められる)との「想い」があって、企業のコマーシャルを差し込み広告料を頂くことで「稼げる」方法を生み出しました。
 これが社会から求められている「しごと」ということになります。

 出てきた、「想い」を踏まえての「しごと」の数々を見ながら、休憩をはさみ、次の議論の段階へと進みます。

【第2段階 「しごと」を創るために】
 次の段階は、そうした「しごと」を創るためには、どのようなことが必要かを議論します。
 どのような「しごと」が必要か、その議論の行方が分からない段階では難しい課題です。

 例えば、皆さんが、自ら新たな「しごと」を創る、つまり起業する場合を考えてください。日本では2001年から2015年にかけての開業(起業)率は5%前後で、欧米などと比べ低い水準にあるといわれます。もしかすると、「しごと」を創るために必要なことが足りないのかもしれません。あるいは、「しごと創り」を阻害するものがあるのかもしれません。足りないものはなにか、阻害するものを無くすためにどうすればよいか、議論のきっかけになるでしょう。
 一方で、日本は長く会社が続く国としても知られています。「しごと」の中身を変えながら、でも「しごと」にかける「想い」が続くのはなぜでしょうか。その理由を考えることも議論のきっかけになることでしょう。

 「しごと」を創るために足りないものがあれば、誰が(Who)、何を(What)、どのようにして(How)、そして誰に(Whom)提供をするのか、なぜ(Why)必要であるのか、また、もっと優先すべきものはあるのか、などを議論をしましょう。
 阻害しているものを無くすためにも、さらには中身を変えながらも「しごと」を続けられるために求められるものがあれば、同様に議論を重ねます。

 足りないものは、東京にある、ニューヨークやシリコンバレーにある、と思うかもしれません。オースチン(アメリカ)や深?(中国)に行けば、阻害する要因などない、と思うかもしれません。
 熟議では、加古川地域や類似する播磨の市町を想定して議論をしましょう。
 これは「しごと創り」に必要な条件になることでしょう。

 参加者一人ひとりが、自分にできることを、できそうなことも一緒に議論をすると、「しごと創り」より身近に感じられることでしょう。

 最後は、提案です。「企画書」を作成します。

 「想い」から始まる「しごと」、それを可能にするための仕組み、それらを「企画書」として作成します。熟議は、関係者である参加者が主役でもあります。自分ならこうしたい、ということが企画書から読み取れることも、大事になります。企画書から議論の結果が伝わるよう、議論をして、工夫をしてください。


(3)議論の結果や結論を共有します(共有の段階)

 各テーブルでの議論が終わり、結果を参加者全員が共有し、理解することが「共有の段階」です。
 完成した「企画書」を評価したり、一緒に考えたり、他のテーブルの参加者と議論をする場がそれに相当します。


(4)仲間づくりと自分の成長(振返りの段階)

 議論の共有も終わりました。一人ひとりの中で、「しごと創り」への認識はどのように変わりましたか。振り返るため、熟議の当日「熟議2018 in 兵庫大学参加者アンケート(事後)」にご回答ください。
 これもウェブページから行います。当日、お知らせするスマホの該当ページをご覧いただくか、またはテーブルファシリテーターの指示に従ってください。

 さらに重要なことが、「熟議2018 in兵庫大学」の成果を発揮するための仲間づくりです。テーブルで一緒になった人たちや、意見を交わした人たち、自分の活動を紹介したりして、年代の違いを超えて、これから活動を共にする仲間を見つけてください。


(5)今後の活動(実践の段階)

 「熟議2018 in兵庫大学」での仲間とともに、その成果を今後の地域での活動を行うことが大切です。それぞれの立場で、「しごと創り」についての考え方を持ちながら、共に活動することが、熟議の最大の成果となります。

 もちろん、共催を行う加古川市が政策として取り入れる可能性もあります。その場合、皆さんは市の政策に参画をしたことになります。次は、一緒に実現するために協働を進めましょう。

 兵庫大学は、そんなあなたをこれからも応援します。