看護学科からのお知らせ
看護学科からのお知らせ
2024.10.25
【看護学科】1年生 初めての注射演習を実施しました。
10月21日に1年生「看護技術論Ⅱ」の授業で筋肉内注射と皮下注射の演習を行いました。
まずはじめに確認を行います。使用物品の滅菌期間や袋の破損などを確認し薬剤と処方箋・処方ラベルを見比べて確認します。注射技術では直接患者さんの身体に薬液が入るため6R(6つの正しい患者氏名・薬剤名・投与量・与薬時間・与薬方法・目的)で確認を行います。この時、指差し・声出しで行い、自分以外とのダブルチェックを含めて確認を3回行います。
「講義の時はフルネーム、3回の確認は忘れないだろうと思っていたが実際に行ってみたら実施することに精いっぱいで確認をかなり忘れてしまっていた。」また、実際に「注射前の6Rを3回確認したことで0.5ml投与の薬剤を0.6ml投与しようとしていた事に気付くことができ、大事さがよく分かった」という学生もいました。
次に薬液を注射器に吸い上げます。初めての針を使った演習に学生は真剣に取り組んでいます。 アンプルという薬液が入った小瓶を消毒後に割り、注射針で空気の泡が入らないよう指示された量だけ吸い上げます。入ってしまった空気はトントンと軽くたたいて無くします。
学生は「アンプルから空気を入れないようにするのが難しかった。」「実際に注射器を持つと震えや慣れない手の動かし方で苦労した。角度をつけたり、アンプルの縁に触れないよう注意したい。」と話していました。
●皮下注射●
患者役の学生の腕で注射部位を確認したあとに上腕モデルを装着し注射を行います。注射の前に注射の目的・方法・効果・副作用について説明し同意を得てから行います。 学生は「薬物についての知識(目的や副作用など)について理解しておかなければ患者さんに正しい説明ができず不安を与えてしまうため事前学習や薬の理解がとても大切になると実感した。」また、「薬の単位、穿刺部位や身体の部位などの解剖について等もっと詳しく知る必要があると感じた。」 「実際に注射をしてみてすごく緊張した。これは実施する側もされる側も感じた。改めて1つ1つの声掛けや確認など事細かな作業が必要で、とても大切なことだと実感した。繰り返し練習し、技術を身につけ将来、患者さんが安心して受けられるように努力していきたい。」と気づきや学びがありました。
●筋肉内注射●
筋肉内注射は中殿筋というお尻の筋肉に注射します。患者役の学生はお尻のモデルを装着し中殿筋を弛緩させるため腹臥位(うつ伏せ)で足の母指(親指)が内側になるような内股の体位となるよう看護師役の学生が説明します。 このうつ伏せの状態では「臀部に注射を行う時、患者役をすると患者からは見えないので恐怖心が大きかった。少しでも和らげるために声掛けをしっかり行うことが大切だ」と患者役を行うことで気付くことができました。 また、注射部位がお尻であるため露出部位と露出時間が最小限となるようにタオルを用いたり、物品を置く位置を考えながら実施しました。学生は「患者のことを考えプライバシーの保護や説明が大切だと感じた。」「患者の痛みや恐怖心、プライバシーに配慮した動線の配置が大切だと感じた。」と話しており、 患者さんに痛みをできるだけ与えないようにするためには注射器を持つ手の固定が重要です。初めての手技に学生は「注射に集中し過ぎると確認や固定が疎かになってしまうと感じた。これから練習してできるようになりたい。」と話していました。 また、針を使った侵襲を伴う技術に対して、看護師が「なぜ打つのか、どんな作用・副作用があるのかを説明することで患者さんの治療に対する意欲が前向きになる」ことを学べました。
そして、針刺しによる感染を防ぐため注射後の針はすぐに針捨てBОXに破棄します。これは患者さんだけでなく看護師自身を守ることにもつながります。このBОXが実施時に開いていなかったり置き場所が遠かったりする学生もいました。このことだけに限りませんが、「先を見て行動する必要があるため準備しないといけない順番をしっかり確認しておくことが大切だと感じた。」というように学生も学ぶことができました。
さて、看護の技術は注射に限らず、安全に安楽に実施するためにはどのような手技で行えばよいのか、どのように配慮をしていくか、どういった声かけや説明を行えばよいのか、短時間で行うにはどの順でどこに何を配置すればよいのか、とても沢山考えることがありますし、知識として覚えておかなければならないことが沢山あります。
今回の演習で学生がその大切なことにしっかりと気付くことができたこと、患者さんのために努力したいという看護の心が育っていることに教員として嬉しく感じました。
筋肉内注射は来月末に実技テストを実施します。あと1回の練習の機会を設けていますがイメージトレーニングをしっかりと積んで本番に臨み、良い結果を残してほしいと思います。