講座
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No.14113 命をえらぶ「権利」? ‐出生前診断をめぐる法と倫理の過去・現在-
「出生前診断」に関して、法律・生命倫理の観点から何が問題になっておりどのような対立があるのかをいくつかの比較の軸の中で検討します。確かに優秀な子孫を残したい、子供が健康であってほしという願望は人間の根源的な願いです。しかし健康でない子供(障害児)は、病気のように「治療」(矯正)されるべきでしょうか?それが不可能であれば排除されるべきなのでしょうか?他方、障害者を産まないようにする配慮を社会福祉の根本とするとどのような問題点があるのでしょうか?この講座では、このような出生前診断をめぐる倫理的・法的・社会的問題を説明します。学問的論点について皆様のお考えを聞かせいただける機会となれば幸いです。
講師・略歴
塩見 佳也
(九州大学法学研究院研究員・就実大学教育学部兼任講師・岡山理科大学理学部兼任講師)
日程
第1回 2月14日(土) 14:40~16:10
第2回 2月21日(土) 14:40~16:10
第3回 2月28日(土) 14:40~16:10
第4回 3月7日(土) 14:00~16:10
プログラム(演題)
第1回 出生前診断と社会的・法的・社会的問題(ELSI)の論点
① 生命倫理(バイオ・エシックス)とは?
② 出生前診断の種類・現状
③ 新型検査手法の登場と報道・専門家の憂慮
④ 何が問題なのか?
第2回 出生前診断と法律上の問題
①法規制の在り方・現状(「ガイドライン」と行政活動)
②母体保護法(1996)による制度
③生殖補助医療技術がもたらす家族の変容(野田聖子氏と向井亜紀氏の場合)
第3回 優生学・生命の選別をめぐる「幸福追求権」のアンビバレンス
①優生学とは
②ナチス優生学と「生きるに値しない生命の抹殺の解禁」論
③社会福祉国家と障害者排除制度
④幸福追求権(憲法13条)と「生む権利」VS「子の権利」
⑤損害としての子供」裁判
第4回 中国「優生優育」政策と「生権力バイオ・ポリティックス」
①中国優生優育とは?
②婚前検査と出生前診断
③裁判例と人々の声
④安全・安心・健康と「生権力」
- 会場
- 13号館105教室
- 定員
- 30人
- 受講料
- 5,160円