お知らせ
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2025.10.01
【2024年度Ⅱ期】兵大グッド・プラクティス賞受賞者からのメッセージ
「2024年度Ⅱ期 兵大グッド・プラクティス賞受賞について」
受賞者からのメッセージをお届けします。
①【講義科目 小規模部門】(履修者15人〜35人まで)
「AI・データサイエンス活用論」(対象学科:共通教育機構科目)
②【講義科目 中・大規模部門】(履修者36人以上)
「データ可視化」(対象学科:現代ビジネス学科科目)
宮﨑 光世 教授

私は兵庫大学の学部課程において、今回GP賞を受賞した2つの科目を含む5つの科目、「ICTデータ活用入門(MDASHリテラシー対象科目)」「AIデータサイエンス活用論」「データ可視化」「データ活用演習I」「データ活用演習II」を連続した教育プログラムとしてデザインしています。探求が重視されるようになってきた高校までの学びと、より実践的な課題解決力を求める社会のニーズを踏まえ、それぞれの学びがバラバラにならず、一つの人材像に結実することを意識しています。特に知識と知恵(考え方)、実行力のバランスが取れるよう、上記5つの科目で何を重視するのか、その比率を調整しつつ運営しています。
①AIデータサイエンス活用論〜「問い」から生まれる、AIとデータの「活用力」
「AIデータサイエンス活用論」は、「ICTデータ活用入門」を受講しAI・データリテラシーを身につけた学生が、「では、あなたは(未来の)ありがとうのプロフェッショナルとして、AIやデータをどのように活用しますか?」という問いに対し具体的に応えられる判断力を身につけることを目標としています。
そのため、授業ではAIの技術的側面や応用事例を紹介するだけではなく、AIを直に体験し、自分だったらどう活用するか、その際何に注意するか、ねらう効果だけでなく副作用や問題点にどう対処するかを問い、受講生からの応答に解説を加えながら共有するスタイルを採用しています。受講生は具体的なシーンを想定して自ら考えた上で、よりイノベーションに積極的、あるいはやや保守的に社会の価値を守る立場、あるいは多様な立場・観点をもつ他者の考えを知ることで、自身のスタンスを確立してもらいたいと考えています。
日々進化する生成AIについてのニュースはメディアに溢れていますが、数年後に社会に出る学生としてその影響をどう考えるべきか、同世代がこの新しい、少し不気味で不思議な存在をどう捉えているかを知る機会は実は貴重で、社会に出てからここで話したことを思い出してもらいたいと考えています。
②データ可視化〜「伝える力」を磨く実践的な学び
データ可視化は、上記「活用論」の次の段階として位置付けられ、データを適切なチャートフォームで可視化することで課題解決に必要なコミュニケーション力を高め、以後のワークショップ型の演習である「データ活用演習」に繋げていくことを目標としています。
インターネット上に溢れている優れた例、改善すべき例を集めてきて批評し、実際にどうすればすっきりと伝えたいことが伝わるのか、手を動かして実践力を鍛えていきます。今はツールが発達していてMicrosoft Excelであれ、Tableauであれ、データを入力すれば、何らかのチャートを描くのは難しくありません。重要なのは「データから何が言えそうなのか」「それを言うためにどのように可視化すべきか」見通しを立てて、「簡単な絵」としてスケッチを描き、試行錯誤しながらツールを動かすその組み立て方です。最終的にはデータを使ってストーリーを語る楽しさを感じてもらうことをめざします。
これらの科目を受講した学生は、現在、データ活用演習において、ワークショップ型の演習に熱心に取り組んでいます。多くの学生がこの一連の学びが自分たちにとって必要なものであると理解し、熱心に取り組んでくれていることに大変感謝しています。
【講義科目以外】履修者15人以上
「こどもと環境」(対象学科:こども福祉学科・教育学科科目)
高畑 芳美 教授

この度、「こどもと環境」の授業で、兵大グッド・プラクティス賞という身に余る賞を頂きました。この賞は、受講した学生の皆さんのアンケートのよるものということです。それは、私にとって1番うれしいことでした。幼稚園の現場にいた先輩として、学生の皆さんに「こんなことを知っておいてほしい、皆さんがこれから出会う子ども達にこんな経験をさせてあげてほしい」という願いを込めて毎回授業を進めてきました。
子どもを取り巻く環境は、環境汚染や環境破壊が待ったなしに進んでいます。本当の自然に触れる機会も減り、「危険な外来種の虫を触らない」「熱中症になる」など、思いもよらない制約が増えています。貴重な体験を通して学ぶ時期にありながら、子ども達は身近な自然とどう向き合ってよいか学べずにいます。このような現実の課題から目を背けず、今できること、子ども達に体験させてあげたい環境教育とは何か等、学生自身にも体験を通して気付いてもらえる授業になればと考え、授業内容を組み立てています。
授業の様子は、時々HPで発信させて頂いていますが、学生自身が自然物を扱う保育の製作や環境カルタ制作などのグループ活動、議論を深めるワールドカフェ等に一生懸命取り組んでくれました。私は目を輝かせて生き生きと活動する学生達の姿や「先生、こうしたらどうかな」というアイデアをたくさん聞きながら、教えるというよりも一緒に学ぶ仲間として、楽しく活動している、もしくは学生の中に紛れているうちに時間が過ぎていました。
兵庫大学は、地域に日本の原風景というような自然があり、地域が守り育んでいる行事があります。今後も学生と一緒にそうした自然や地域との繋がりを大切にできる授業展開を模索していきたいと考えています。「ここでこんなお祭りあるよ」「この池の源流は、あそこだよ」などの情報をどうぞお寄せください。皆さんからの貴重な情報を元に、これからも生きた環境教育の一端を担えるよう授業を進めていきたいと考えています。
学生の皆さん、私と一緒に視野を広げ探索していきましょう。皆さん自身のドキドキ・ワクワクする思いがきっと子ども達の冒険心を育む保育の心意気につながります。
【講義科目以外】履修者15人以上
「学校教育におけるICT活用」(対象学科:教育学科科目)
森下 博 教授

「 心躍る授業と人との出会いを願って 」
このたびは教育学科の「学校教育におけるICT活用」の科目において、兵大グッド・プラクティス賞をいただくことができました。ありがとうございます。この授業は1年生の必修科目として開講し、将来教育の現場に関わりたいという志をもった学生と出会います。授業では、最終的にICTを活用してリーフレットを作成しました。デザインなどを工夫し、印刷して手に取って折り曲げて、その仕上がりを共有することができました。ICTのスキルや身につける指導力をチェックするための手引書として、今後の活用を願っています。
随分前になりますが、私自身の大学時代を思い出してみました。心に残っている授業として4年生のときに受けた科目があります。社会現象を数理モデルを使って表現するといった内容であり、心が踊りました。紐解くように丁寧に、学生に語りかけるような雰囲気で、先生と学生との対話を通した心地よい距離感がありました。事例を通して「知る」ということの喜びがあり、そんな出会いがあったことに感謝しています。
一方で、もっと早い時期に出会えていたら、その後の学修への取り組みの意識が変わっていたのではないかと、当時は思っていました。でも今ならわかります。最終学年の科目として配置されていたのは意味があったのだと。さまざまな授業を受け、知識や考え方を身につけ、その上で理解できることが増えていったからこそ、感銘を受けたのだと。そういう意味では、日々の授業の積み重ねや少しずつの成長が大事なのだと感じます。そんな歩みの中で、心が弾む機会に出会うことを願っています。
私は現代ビジネス学科の専門教育科目を多く担当していますが、縁あって教育学科の科目を担当するという機会を得ました。受けもった1年次配当の「学校教育におけるICT活用」という科目は、その先の幅広い専門教育科目につなげるための土台であると認識しています。その責任を果たせるように心掛けてきました。さまざまな授業で学生と出会い、それらの授業を通した学びの時間が、皆さんの心に刻まれていればうれしく思います。
以上
